書く以外これと

と訊き返すユキエの顔がやや曇ったような表情になったのをホンジョウは見逃さなかった。
そう、実は???、実はね、そのヒカルさんって人の家に行った時になんだけど、なんか、そこにお母さんの写真がたまたま置いてあったって言うか???。
なんか俺、いきなりでびっくりしちゃってさあ物業加按

全然関係ないって思ってた人の家にお母さんの写真なんかがあったもんだからね。
それでその写真のお母さん???、生まれたばかりのそのヒカルさんのことを両手でだっこしてて。
それがちょっと、なんかなんかまるで???」
いやあ、それってなんか???、いきなりですけど面白そうですね。
ぼくは全然暇なんで手伝いますよ、ナカバヤシさん」
とトオルはそう平然と言ってのけた。
ええ?
ちょ、ちょっと待ってよ。
い、いきなりどうしたんですか?」
と訳もわからず戸惑うわたし。
ああ。

まあ、いきなりで悪かったなあマキ。
でもこれは俺、けっこう前から考えててさあ。
ホンジョウにも以前ちょっと相談したこともあったんだけど、アイツ何も言ってなかったか?」
全然」
そうか。
いや、ほらどうせ週末飲むんだったらさあ?外で飲んで金使うよりもさあ、家をバーにしちゃった方が手っ取り早いんじゃないかって???、まあ、単純にそう思っただけなんだけどね」
とナカバヤシさんの言ってることは確かに言えるかも?とすぐにわたしも納得しそうになる。
それでほら、正直俺らの会社、はっきり言って儲かってないわけよ。
それにオマエらだって見たところ割と暇そうじゃん貼牛?」
ええ?

まあ、それはまあ、暇そうって言われれば」
と言いかけ、確かに毎日書き上がるあてのない小説を書く以外これといってやってることといったら最近通い始めたジムでのヨガぐらいか?
ってまあ正直、いい加減何かバイトでもしないとなあ?なんて思ってたところでもあったわけで。
ねえ?
じゃあさあ、そのバー、手伝ったらちゃんとバイト代とかもくれるってこと?」
と切り返しの早いわたし。
当たり前だろ。
でもまあ、そんなに儲かるとも思えないけどな。
こんなところで、いきなり始めるわけだからさあ」
でもそれは???、やってみないとわからないんじゃないですか?」
とやけに前向きなトオル。
いや、俺的には本当に単純に週末の飲み代浮かせついでに人脈なんかも広げられればいい、なんて思ってるだけでね。
ああ、それでいちおうコンセプトとしては???、オーガニックなベジタリアンバーってのにしようと思ってるんだよね。
そう、だからイメージからしても、ガンガン飲ませて馬鹿騒ぎってのじゃなくて、いわゆるアットホームなラウンジ風っていうかさあ」
ふ~ん實德環球



Posted by jadelung at 2017年08月08日10:52
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